メモ帳

音楽とか本とか考えたこととか。

オトトキ 何回か観た感想

オトトキ
ネタバレあります。

 

 


同じ劇場で3回観て、毎回少しずつ後ろに下がった結果、後ろで観た方が良い説が出てきました。
もちろん、劇場により色々なので一口には言えませんが。

特にどこでそう思うのかと言うと、序盤の年表を辿るところで、その頃の世間の音が聞こえますよね?あそこで92年かな?銃撃の音がします。それがすごくて「はっ」となりました。

あとは、演奏シーンでは全体的に低音が後ろから飛んで来る気がするので非常に良いです。

その年表の後、2004年から2016年まで数字を回しながら代々木の初日の場外の様子を写すシーンにはBGM(というか、効果音と音楽の間みたいなもの)が聞こえますが、そのあとは終盤の吉井さんのインタビュー(2000年ごろのメンバーについて語るところ)までは演奏の音、街の音、会場でメンバーが練習してる音以外のいわゆるBGMと呼ばれる類の音は鳴らない気がします。音楽に関する映画でありながら、無音の時間が結構多いのがとても面白いし、音でも、視覚でも動と静のメリハリの効いた作品だなぁと感じました。視覚の面では、突然過去の写真が何枚か出て来るとか、メンバーのオンとオフとか。そんな感じ。

時系列に沿って進んで行く中で非常に自然に次のテーマが提示されていくので、流れるように自然に観ることができます。

 

4回観てようやく映画の作りにまで目が行くようになりました。
それくらい、THE YELLOW MONKEYの持つ目を惹きつける力がすごいんだなぁと改めて感心します。

オトトキの不思議なところは、メンバー1人1人を見ているようであり、THE YELLOW MONKEYという塊を見ているようであり、TYMSプロジェクト全体を見ているようであり、自分自身を見ているようなところ。見ても見ても違うところに気付くところがあり、考えるところがあります。

最初に見た時は、ラママのライブとか、ライブの映像がぶった切られるので、もっと見せてくれよ!と思ってましたが、複数回見るとそこで切られても不自然ではなくて丁度良いのだなぁと感じるようになりました。


本当に良い監督に撮ってもらったんだな〜としみじみ感じます。
とても面白い。
私自身は映画を普段たくさん見る人ではないのですが、オトトキは劇場で何度でも観たいし、ブルーレイを買って何度も観たい。
暮らしの中で繰り返し観たい作品だと思いました。


とりとめもない感想でした。

オトトキ【吉井和哉ウォッチャーの雑念】

ネタバレというかなんというか、ただひたすらに吉井さんばっか観てた人の雑念、煩悩、その他諸々。

 

 

 

 

 

☆吉井さん、ボーダー着るんですね

砂の塔のリハ?の場面、スタジオでクリック音を聴くとか聴かないとかで廣瀬さんと英二くんと真剣に話し合っている吉井さんの画。

私の頭の中「うわーーーーーーー黒い服着ないと死ぬ病のかずちゃんがボーダー着てる!!かわいい!かわいい!かわいい!あああああああああああああああああ」

ボーダーかずちゃんの破壊力に打ちのめされる

 

☆私、生まれ変わったら赤い敷物になりたい

吉井さんのインタビュー会場。吉井さんのスタジオの隅っこだと思いますけど、壁にもたれて、赤いクッションだか何だかに座る、スーパーリラックスモードの吉井さんの破壊力。

黒いTシャツにデニムとか本当に超絶普通な格好なのに、メイクもしてないし髪もそのままなのに…その破壊力。いや、むしろ、だからこその破壊力。

話してる内容は若かりし頃のロクでもねえ話(お母さんにお金借りてたとか)だけど。

もうね、その座り込んだ脚の間に入れて欲しいとか贅沢言いませんから、私をそのスタジオの敷物にしてくれ!!!あああああああああああああああああ!!!

あのインタビューの画の間、私ずっと頭おかしかったと思う。(いつもおかしいのでは?)

 

☆メイクのスポンジにしてくれ

結構、楽屋のメイクシーン出てくるんだよね。

されるがままにメイクされる姿。髪をわしゃわしゃやられる姿。

メイクさん、お触りし放題なんですね。(言い方)メイクさんになりたいなんて贅沢いいません。一回使い捨てで結構ですからファンデーションのスポンジしてくれ…

 

☆熱湯につけられたタオルでいい

喉のケア、ものすごい原始的な方法で笑いました。が、私スーパー喉弱いのでやってみようと思いました。

吉井さんの手が熱いといけないから私、タオル絞りましょうか?

 

☆私は覚えていた、武道館の干しぶどう

そう、私、あの日めちゃめちゃ遠い席双眼鏡無しで見てたけど、吉井さんが干しぶどうを出していたのは目視しましたし、それを男性に触らせたところも目視していました。が、なんとあの男性、隣の彼女?をその手で触りましたね。羨ましい。

私がその男性なら多分手を舐めるし、その女性でもどうにかして舐めてたと思います。

 

吉井和哉ふなっしー化問題

トランポリン!!!

から飛び降りておかしなことになり笑い転げるかずちゃんおよび皆。小学生か!笑

めちゃくちゃ可愛かったわ!

 

 

☆機嫌の悪い吉井和哉

オトトキのなかでかなり印象的だったのは、S L S愛媛の楽屋。

具合悪い&おそらく紅白のスケジュールがうまくいってなくてスーパー不機嫌モード。

怖い。

あの見た目であの身長で機嫌悪いとか、ホント怖い。

画面越しでも「これ、ヤベェやつだ」と分かる空気感。

点滴打ちに行って帰ってきた時のカバン「ドンっ」て置く感じ。やべぇ。これはやべぇ。

ただ、そこで素直に思ったのだ。

機嫌の悪い吉井和哉にビクビクしながら声をかけて静かに八つ当たりされたい。

我ながら引くこの思考。

 

☆困ってる俺は1番かっこいい

声出ない事件の時、悲しいかなやっぱりかっこいいんだよなぁ。

本人が1番マズイと思ってる筈なのに、ものすごく冷静に、そして優しく「何かわかんないけど、声が出なくなっちゃったんだ」と語りかける姿。そして、出せる高さで歌う姿。やっぱりどこまでもロックスターはロックスター。

 

☆解散した時、どう思ったの?って聞かないんですか?

それをサラッと提案できる監督すげぇわ。ほんとに目線がフラット。

それを、受けて吉井さんが優しく苦笑いするのがとっても良かったです。(困り顔スキー)

きっと吉井さんはその頃のことを忘れたりしてないと思うけど、今のTYMにはそれは必要ないのかもしれないね。

ホントにホントにおじいさんになったとき、気が向いたら話して。

 

☆バッキバキのスーパーロックスターロビンちゃん

ひさびさにアリーナツアーの頃の顔を拝見しましたが、マジでバッキバキだな。あれ、どこの会場かわからんけど、青っぽいシャツでグレーっぽいアイシャドウの日、めっちゃロックスターだった。

でも、やっぱりアリーナの頃って本人たちも「TYMに寄せなきゃ」って思ってる部分がすごいあるんじゃないかなぁ?と思ったんだよね。

ALRIGHT なんて、まさに往年のTHE YELLOW MONKEYっぽい!って感じの曲だもの。

それが良いとか悪いとかの話ではなくて、本人たちも必死だったんだろうなと妄想します。

もちろん、外からじゃ何もわからないから、私の妄想だけど。

 

他にもいろんなこと書きたいけど、長くなるからこれで終わるね。

みんな私に石投げないでね!!!!

ああ、ホントに後5回くらい観たい。

 

 

オトトキ

【ネタバレあります】

オトトキは2016年1月8日突如再集結を果たしたロックバンドTHE YELLOW MONKEYの一年を追ったドキュメンタリー映画

 

 

 

だと思って観に行ったんです。

あれ?

いや、たしかに映画の軸はTHE YELLOW MONKEYというバンドとライブツアーなんだけど、そこで浮き上がってくるのはTHE YELLOW MONKEYというひとかたまりのバンドではなく、ロックを仕事にする4人の男性でした。

単なる一年の記録のフィルムだったとしてもTHE YELLOW MONKEYの映画としてはカッコいいものができたと思うのですが、実際はもっとデリケートでディープで力強いドキュメンタリー映画でした。

 

前半部のキーは

菊地兄弟のお父様がツアー中に亡くなったという話題。

そこから、兄弟の仕事観、家族観が語られ、他メンバーの家族の話。

ヒーセがステージ袖でみんなをハグするシーンに彼の優しさとか温かさが滲んでいて素敵でした。

近年の吉井さんは父性がすごいなと思ってましたけど、THE YELLOW MONKEYというバンドは父親というのがキーワードなのかなぁと思いました。全員50超えてるので当たり前といえば当たり前なんだけど。

ものすごい個人的な話で申し訳ないのですが、私は自分の育った家庭があんまり上手くいかなかったので物心ついた時には家に父はいなくて、その辺がすっぽり抜け落ちた状態で生きてきて、足りないから吉井さんにひどく引かれるのではないかと思っています。

 

後半戦のキーは

体調

もちろんケアをして鍛えてそれでもやっぱりあれだけの仕事をこなせばどこかにガタが来る。

それは足腰とか手とか喉とか様々。

この映画で私が最も泣いたのは、2017年の元日に出演したフェスで吉井さんの声が出なくなる場面。

本当に本当にただただ怖かった。

吉井さんから歌が奪われることが本当に恐ろしかった。

実際にそこにいたわけではなく、ネット上の情報しか知らなかったけど、いざ目の当たりにしたら思った以上に喉は深刻だった。

そのあと、休養をして今は歌えることを知っていても本当に本当に怖かった。

ただ、本人たちは冷静で「ああ、4人なんだな」とぼんやり思った。

実際に声が出なくなる前段階のホールツアーの愛媛の時点で吉井さんは体調を崩し、機嫌も悪い。テレビにもたくさん出ていた、メカラウロコのリハもしてたでしょう…

あの頃、「パンドラの二の舞にならない?」と思った人も多かったのでは?

私は見事にそう思ってたよ。怖かった。

ただ、実際に映画を観てみると4人は4人で何とかしてたんだなー。パンドラの時のようにならないのはやっぱりみんな年取って大人になったんだなぁ。

THE YELLOW MONKEYへの信頼度はものすごく高いけど、だからこそこれからはもう少し余裕を持った活動をしてもらいたいなと思いました。

何度も言うけど、あの声が出なくなった日、本当に怖かったんだよ。

 

 

全編を通していろんなタイミングのインタビューが細切れに出てくるんだけど、最後の方の吉井さんのインタビューの中で

「家族は嫌でも取り換えられない」

というような言葉があって「ああ」と思いました。

ソロはサポートメンバーが変わっても、1人でやっても自分の名前で活動ができるけど、バンドはそうじゃないんだよね。4人が揃って初めてTHE YELLOW MONKEYなんだよね。

家族と同じで、盛大な反抗期を経て、大人になってさらに仲良く程よい距離感で生きていける。

そういう場所がTHE YELLOW MONKEYなのでしょう。

 これからもTHE YELLOW MONKEYのメンバーとしてますます活動に励んでいただきたいと思うと同時に、各々のソロ活動でもTYMで仕入れた新しいコトを反映し、さらにそこで得たコトをTYMに反映してパワーアップして行ってほしいなと思います。

 

休んでいた時間が無駄でなかったことは今の4人を見れば明らかなことだし、最後の主題歌をエマが作ったということが、ソロの結晶みたいな気がして、ソロを愛してきた人間としては非常に嬉しかったです。

 

監督の狙い通り、これから先がとても気になる4人を見せてもらったし、これから先も4人をずっと見ていきたいと思いました。

バンドでもソロでも音楽と真剣に遊んでますますかっこいいジジイになってほしいなと思います。

そう、トニー・ヴィスコンティ氏、めちゃめちゃかっこよかったからね。「彼らはまだ若い」って言われちゃってますから。

THE YELLOW MONKEYの未来はまだまだ長い。

 

 

いい映画でした。面白かった。

ものすごく、フラットで、サラッとしてた。

思い入れ強い人が作っちゃうと、多分いろんな解釈の違いで「嫌だ」と感じる部分が多々ありそうなんだけど、監督があんまりTYMに思い入れない人だから変な偏りがなくて非常に見やすかったです。

オトトキ、また劇場で観たいな。